2025年12月21日日曜日

【書評】宇宙の覇者 ベゾスvsマスク

再利用可能なロケットを実装するまでのお話。ちょっと古いが、印象に残った部分を引用しつつ、メモしておく。

マスクとちがい、ベゾスは急いでいなかった。いくらでも実験と失敗を繰り返し新しいアイデアを試したいと思っていた。たとえマスクたちが試して、失敗したアイデアであっても、自分たちで試してみたかった。ベゾスには桁外れの辛抱強さがあった。何せこの男は、西テキサスの自分の所有地にある山中に「長期的に考えることのシンボル」として、1万年時計を設置した人物なのだ。
ベゾスもマスクも宇宙少年。ベゾスはカメ、マスクはウサギ。スペースXが無邪気にチャレンジすると対称的に、ブルーオリジンは着実に進歩を重ねるスタイル。

また下請け業者を使わず、ロケットをほぼすべて自社だけでつくっていることにも驚かされた。「イーロンは品質への強いこだわり」から、みずから費用を負担して、自社製のロケットをつくっていたと、ウォーカーはいう。

イーロン・マスクはスティーブ・ジョブズ並みに統合的な製品デザインにこだわる。ジェフ・ベゾスもこだわることはこだわるが、インフラ的なシステムのこだわりで、ディティールにはあまりこだわらない。


マスクとちがい、ベゾスは急いでいなかった。いくらでも実験と失敗を繰り返し新しいアイデアを試したいと思っていた。たとえマスクたちが試して、失敗したアイデアであっても、自分たちで試してみたかった。ベゾスには桁外れの辛抱強さがあった。何せこの男は、西テキサスの自分の所有地にある山中に「長期的に考えることのシンボル」として、1万年時計を設置した人物なのだ。

イーロン・マスクはエンジニアリングオタクで、同レベルのオタクじゃないとスペースXの面接には受からない。 エンジニアを何よりリスペクトするのが特徴。


「どんなことでも1年間に数回行なうだけでは、上達しないものです」と、ベゾスは2016年のある質疑応答でいった。「ロケットの打ち上げも同じで、それぐらいの頻度では上達しません。1年間に 12 回しか執刀していない外科医に手術を頼みたいでしょうか。手術を受けるなら、週に 20 回から 25 回執刀している外科医を探すべきです。それぐらいの回数をこなして初めて、練習を積んでいるといえます」

 ジェフ・ベゾスはスマートなロケット工学者という印象を受けた。イーロン・マスクもジェフ・ベゾスも物理学を修めているという共通点があり、Web時代のアジャイルな起業家という共通点もある。どちらも紛れもない天才で切れ者だが、微妙にタイプが違うのが面白い。

宇宙産業は間違いなくこれから主流にあるインダストリーだが、ビジネスモデルは運送業者そのもの。スペースXは人工衛星によるネット回線サービスで通信業者のビジネスも始めているが、コアは「どれだけ速く安くモノを宇宙に届けられるか」にある。その先には、飛行機を代替する宇宙船による移動が実現する。ベゾスとマスクの競争により、今世紀中には地球上どこでも数時間で移動できるテクノロジーが実現するだろう。今後の進捗が楽しみだ。


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